本人確認法律必須約6分で読める
本人確認書類の選び方・使い分けガイド
対面・非対面・業者間取引まで完全解説【2026年版】
古物商が買取を行う際、売主の本人確認は法律上の義務です。しかし「対面で買い取る場合」と「メルカリなどで非対面で仕入れる場合」では、使うべき確認方法がまったく異なります。 このガイドでは、カンタン台帳の「確認書類の種類」の選択肢ごとに、どのような場面で使うべきかをわかりやすく解説します。
警察の警告:メルカリ等のフリマアプリを利用した取引でも「相手方の確認義務」は免除されません。
「インターネット等を利用した相手と直接対面しない形態の取引では、法令で定められた『非対面取引における相手方の確認方法』をとる必要があります。単に『運転免許証のコピーの送付を受ける』等の方法では不十分であり、古物営業法で定める確認を行ったことにはなりません。」(警察庁ガイドラインより)
「インターネット等を利用した相手と直接対面しない形態の取引では、法令で定められた『非対面取引における相手方の確認方法』をとる必要があります。単に『運転免許証のコピーの送付を受ける』等の方法では不十分であり、古物営業法で定める確認を行ったことにはなりません。」(警察庁ガイドラインより)
まず確認!どの選択肢を使うべきか?
対面取引での本人確認書類
お店に来店されたお客様や、出張買取で直接会って買い取りを行う場合は、以下の書類での確認が可能です。書類を「提示」してもらい、その内容(氏名・住所・生年月日・書類番号)を台帳に記録します。
運転免許証
✓ 最もおすすめ- 氏名・住所・生年月日・顔写真が1枚で確認できる最も確実な書類
- 番号(免許証番号)を必ず記録してください
- 住所が古い場合は裏面の変更記録も確認すること
マイナンバーカード(番号記録不可)
✓ 使用可能- 氏名・住所・生年月日・顔写真を確認できます
- ※ 12桁のマイナンバー(個人番号)は絶対に記録しないこと!
- 番号法により古物取引での個人番号の記録は違法です
※ マイナンバー(12桁)の記録は番号法違反になります。カードの利用はOKですが番号は記録禁止です。
パスポート(旅券)
✓ 使用可能- 外国籍の方や免許証を持たない方の確認に有効
- パスポート番号を記録してください
- 住所の記載がないため、住所は別途確認が必要な場合があります
在留カード・特別永住者証明書
✓ 使用可能- 外国籍の在留者の方の確認に使用します
- 在留期間の有効期限を確認してください
- カード番号を記録してください
健康保険証(使用不可)
✗ 2025年12月1日で失効- 従来の健康保険証は2025年12月1日をもってすべて有効期限が切れました
- 現在有効な紙の健康保険証は存在しないため、本人確認書類としては使えません
- 保険証の代わりに提示されるのは、マイナ保険証(マイナンバーカード)か下の「資格確認書」です
※ 健康保険証を提示された場合は、有効な書類(運転免許証・マイナンバーカード・資格確認書など)をあらためて確認してください。
資格確認書
※ 使用可能だが単独では弱い- マイナ保険証を持たない方に健康保険証の代わりとして交付されている公的書類です
- 氏名・生年月日は確認できますが、住所は記載事項ではなく(本人が求めた場合のみ任意で記載)、顔写真もないため、1枚だけでは住所・氏名・生年月日を証する書類になりません。住所を確認できる別の書類との組み合わせが必要です
- 可能であれば運転免許証・マイナンバーカードなど顔写真つきの書類を優先してください
※ 顔写真がない書類のみで確認する場合は、ほかの書類と組み合わせるなど慎重に運用してください。
非対面取引での本人確認方法
メルカリ・ヤフオク・宅配買取の場合は要注意!
非対面取引では「運転免許証のコピーを郵送してもらうだけ」では警察の基準を満たしません。 以下の3つの方法のいずれかを正しく実施し、その方法を台帳に記録する必要があります。
非対面取引では「運転免許証のコピーを郵送してもらうだけ」では警察の基準を満たしません。 以下の3つの方法のいずれかを正しく実施し、その方法を台帳に記録する必要があります。
非対面:eKYC(電子本人確認)
✓ 最もスムーズ- マイナンバーカードや運転免許証のICチップをスマホで読み取る方式
- 「TRUSTDOCK」「LIQUID eKYC」などのサービスが対応
- 即時に確認が完了するためスピードが早い
- 業者として本格的に宅配買取を行う場合に適した方法
非対面:身分証コピー送付+転送不要書留の送付
✓ 個人・小規模向け- 身分証(免許証など)のコピーを郵送してもらう(要素1)
- コピーに記載された住所宛に「転送不要」の簡易書留等を送付し、到達(返戻がないこと)を確認する(要素2)
- コピーに記載された本人名義の預貯金口座に買取代金を入金する契約とする=振込先が身分証と同じ本人名義であることを確認して振り込む(要素3)
- この3つがそろって法令の「非対面確認」1セットです(一部だけでは不十分)
※ 「コピー+転送不要書留」の2つだけでは足りません。本人名義口座への代金入金まで含めた3点セットで実施してください。
非対面:住民票の写し等(原本)の送付
✓ 確実な方法- 市役所・区役所で発行した住民票の写し(コピー不可、原本のみ有効)を郵送してもらいます
- さらに「転送不要の簡易書留等を送付して到達を確認する」か「住民票に記載された本人名義の口座に代金を振り込む」のどちらかを必ず組み合わせます(原本の受け取りだけでは不十分)
- 氏名・住所・生年月日が全て記載されているものを使用すること
※ 住民票を受け取るだけでは確認は完成しません。書留の到達確認か本人名義口座への振込のどちらかとセットで実施してください。
実際の宅配買取の運用例(個人古物商向け)
1
申込時に身分証の写真を送ってもらう
LINEやメールで運転免許証の表裏の写真を送ってもらいます。
2
身分証記載の住所宛に「転送不要の書留」を送付して到達を確認
身分証のコピーに記載された住所宛に「転送不要」扱いの簡易書留等で取引通知を送ります。書留が届いた(返戻がない)ことで住所を確認します。
3
振込先が身分証と同じ「本人名義」の口座であることを確認して代金を振り込む
振込先口座の名義が身分証の氏名と一致することを確認して入金します。本人名義口座への代金入金は、書留の到達確認とセットで必要な要素です。
4
台帳に「非対面:身分証コピー送付+転送不要書留の送付」と記録
カンタン台帳の確認書類の種類でこの方法を選択して記録します。番号欄には免許証番号を入力してください。
業者間取引(古物商同士)での確認
「業者相手なら本人確認は不要・簡略でよい」は誤解です。
古物営業法第15条第2項が確認義務を免除するのは「対価総額1万円未満の取引(一部品目を除く)」と「自分が売却した物品をその相手から買い戻す場合」の2つだけで、相手が古物商許可を持つ業者であることは免除の理由になりません。業者間取引でも、相手方(法人なら取引担当者)の住所・氏名等の確認は通常どおり必要です。
古物営業法第15条第2項が確認義務を免除するのは「対価総額1万円未満の取引(一部品目を除く)」と「自分が売却した物品をその相手から買い戻す場合」の2つだけで、相手が古物商許可を持つ業者であることは免除の理由になりません。業者間取引でも、相手方(法人なら取引担当者)の住所・氏名等の確認は通常どおり必要です。
業者・法人からの買い取り
通常の確認+許可番号- 業者・法人が相手でも、通常の本人確認(住所・氏名等の確認)は省略できません
- そのうえで、相手が古物商許可を持っていることを確認し、「古物商許可番号(例:東京都公安委員会 第〇〇〇号)」も併せて記録しておくと取引の証跡として確実です
- カンタン台帳では「業者・法人」を選ぶと確認書類「古物商許可証(業者間取引)」が選択され、許可番号を記録できます(通常の本人確認と併用してください)
※ 「業者と言っているから確認なしでいい」はNGです。通常の本人確認をしたうえで、許可番号も記録してください。
よくある間違いと罰則
✗ メルカリ仕入れで「対面:運転免許証」を選択している
✓ 非対面取引なのに対面用の書類を選ぶのはNG。非対面用の方法を正しく実施・記録してください。
✗ マイナンバー(12桁)を台帳に記録している
✓ 番号法違反になります。マイナンバーカードの使用自体はOKですが、個人番号の記録は絶対にやめてください。
✗ 非対面で免許証コピーをもらっただけで確認完了としている
✓ 警察の解説では「コピーの送付だけでは不十分」と明記されています。転送不要書留の到達確認と本人名義口座への代金入金まで含めて1セットです。
✗ 本人確認を一切せずに買い取っている
✓ 対価総額1万円未満の取引には確認義務の免除がありますが、バイク・原付とその部分品(ねじ・ボルト・ナット・コードなど汎用性の部分品を除く)・ゲームソフト・CD/DVD・書籍、および2025年10月1日追加のエアコン室外機・エコキュート等のヒートポンプ・電線・金属製グレーチングは1万円未満でも確認が必要です。免除に当たる場合を除き、全ての買取で確認義務があります。
違反した場合の罰則
- 本人確認義務違反:6ヶ月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金(古物営業法第33条第1号)
- 帳簿への不記載・虚偽記載:6ヶ月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金(同法第33条第2号)
- 古物商許可証の取り消しや営業停止処分を受ける可能性もあります
まとめ:確認書類の選択フロー
| 取引の種類 | 選ぶべき確認書類 | 主な注意点 |
|---|---|---|
| 対面(来店・出張買取) | 運転免許証 / マイナンバーカード / パスポート・資格確認書(どちらも住所の記載がないため、住所を確認できる書類と併用)など | マイナンバー(12桁)は記録禁止。健康保険証は2025年12月1日で失効済み・使用不可 |
| 非対面(メルカリ仕入れ等) | eKYC / 身分証コピー+転送不要書留+本人名義口座入金 / 住民票原本+書留か本人名義口座振込 | コピーや住民票の受け取りだけでは不十分 |
| 業者・法人からの買い取り | 通常の本人確認+古物商許可番号の記録 | 相手が古物商でも確認義務は免除されない |