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古物商の確定申告のやり方

経費・帳簿・青色申告のポイントを完全解説【セドリ・副業の方も必読】

確定申告のイメージ

1. 確定申告が必要なケース

申告が必要

  • 専業(給与なし):所得の合計が所得控除の合計額を超える
    目安は下の表の基礎控除額。社会保険料控除・生命保険料控除などがあればその分も足して判定します
  • 副業(給与あり):給与以外の所得が20万円超
  • 事業所得として古物商を行う場合
  • 青色申告の届出をしている場合

申告不要の場合

  • 副業で給与以外の所得が20万円以下
  • 自分が使っていた物(生活用動産)をたまに売っただけ(家具・衣服・通勤用の車などの譲渡は非課税。ただし貴金属・宝石・書画・骨とうで1個30万円超のものは課税、売るために仕入れた物は事業の売上です。国税庁 タックスアンサーNo.3105)
  • 年間の所得が所得控除の合計額以下(基礎控除だけでも下の表の金額まで)

※所得税が不要でも住民税の申告は別途必要な場合があります

「いくらから?」の基準は2025年分から変わりました

基礎控除は長らく一律48万円でしたが、令和7年度税制改正により令和7年分(2025年分・2026年に申告するもの)から所得に応じた段階制になりました。 所得が少ない方はむしろ控除が増えて申告不要の範囲が広がっています。古い記事の「48万円」を基準にしないでください。

合計所得金額令和7・8年分令和9年分以後
132万円以下95万円95万円
132万円超 336万円以下88万円58万円
336万円超 489万円以下68万円58万円
489万円超 655万円以下63万円58万円
655万円超 2,350万円以下58万円58万円
2,350万円超48万円〜0円(段階的に縮小)48万円〜0円(段階的に縮小)

合計所得132万円以下の95万円は恒久措置で、令和9年分以後も変わりません。令和9年分以後に58万円へ一本化されるのは、132万円超655万円以下の3区分だけです(令和7・8年分はこの3区分に特例の上乗せがある期間)。令和6年分以前は所得2,400万円以下で一律48万円でした。 あわせて給与所得控除の最低保障額も55万円→65万円に引き上げられました(給与収入190万円以下の範囲)。 合計所得2,350万円超の場合の基礎控除額(48万円から段階的に縮小し2,500万円超で0円)に改正はありません。
出典:国税庁 タックスアンサー No.1199 基礎控除/国税庁「令和7年度税制改正(基礎控除の見直し等関係)Q&A」(令和7年5月30日)/この記事の税制の記載は2026年9月3日時点の情報にもとづいています。

2. 経費にできるもの・できないもの

区分具体例経費
仕入費(売上原価)商品の仕入れ代金のうち、その年に売れた分(年末に残った在庫の分は翌年以降の経費。下の補足参照)
交通費仕入先への移動費、配送費、駐車料金
通信費インターネット回線、スマホ代(業務使用分)
広告宣伝費メルカリ・ヤフオク手数料、サイト運営費
梱包・発送費ダンボール、緩衝材、送料
地代家賃事務所・倉庫の賃料(按分あり)
減価償却費PC、カメラ、車(10万円以上の資産)
雑費カンタン台帳の利用料、会計ソフト
生活費食費、個人の衣服、趣味の支出✗
税金・罰金所得税、住民税、交通反則金✗

※ 仕入代金は「売れた分だけ」が経費です。買った年に全額を経費にできるわけではありません。年末時点で売れ残っている商品の仕入代金は期末棚卸高として翌年以降に繰り越します(売上原価=期首棚卸高+その年の仕入高−期末棚卸高)。 せどり・古物商で一番多い申告ミスなので、12月31日時点の在庫一覧(棚卸し表)を必ず残してください。 在庫の評価方法は、税務署に届け出なければ最終仕入原価法(年末にいちばん近い日の仕入単価で評価。所得税法施行令第102条)です。1点ものが多く仕入値そのもので評価したい場合は、評価方法の届出(個別法)を出します。

3. 青色申告 vs 白色申告

項目青色申告白色申告
特別控除最大65万円(e-Tax等の要件がなければ55万円、簡易簿記は10万円)なし
赤字繰越3年間可能不可
少額減価償却40万円未満なら一括OK(2026年4月1日以後の取得分。年間合計300万円まで)10万円未満のみ(10万円以上20万円未満の3年均等償却は白色でも可)
家族への給与青色事業専従者給与として経費にできる(事前の届出が必要)事業専従者控除あり(配偶者は最高86万円・その他の親族は1人につき最高50万円)
帳簿の要件複式簿記(ソフト利用推奨)簡易簿記
届出(青色申告承認申請書)適用したい年の3月15日まで(その年の1月16日以後に開業した場合は開業日から2ヶ月以内)不要

青色申告は 最大65万円の控除 が受けられます(複式簿記+e-Tax等で65万円、複式簿記でもe-Tax等がなければ55万円、簡易簿記は10万円)。すでに開業している人は適用したい年の3月15日までに「青色申告承認申請書」を出す必要があり、出し忘れるとその年は白色になります。

※ 少額減価償却の特例は、令和8年度税制改正で対象が30万円未満→40万円未満に引き上げられました(2026年4月1日以後に取得し事業に使い始めた資産から。適用期限は2029年3月31日まで延長)。それより前に取得した資産は従来どおり30万円未満です。 出典:租税特別措置法 第28条の2(e-Gov法令検索・2026年9月3日時点の現行条文で確認)

4. 古物台帳データを確定申告に活用

📋
仕入帳として利用
カンタン台帳の「買取金額」データをそのまま仕入帳として活用。CSVでダウンロードして会計ソフトに取り込めます。
💰
損益計算の自動化
売却価格も記録すれば、月次の損益レポートを自動生成。確定申告の数字がすぐにわかります。
📊
棚卸しの簡略化
期末の在庫一覧(ステータス「在庫中」)をエクスポートすれば、棚卸し表の作成が簡単に。

年次レポート機能でできること

カンタン台帳のスタンダードプラン以上では、年次レポート / 棚卸機能が使えます。確定申告に必要な数字をワンクリックで集計し、決算書にそのまま転記できます。

確定申告用サマリー期首棚卸高・仕入高・売上高・期末棚卸高・売上原価・粗利を自動計算
青色申告 転記ガイド決算書(損益計算書)の①〜⑦にそのまま転記できる対応表を表示
白色申告 転記ガイド収支内訳書の①・⑤〜⑨に対応した数値を表示
月別内訳月ごとの仕入件数・仕入額・売上・粗利・在庫増減の一覧
期末在庫一覧12月31日時点の在庫リストと評価額(棚卸し表として利用可)
CSV / 印刷CSVでダウンロードして会計ソフトに取り込み、またはA4でプリントアウト可能

※ 年次レポートでカバーしていないもの

カンタン台帳の年次レポートは売上・仕入・在庫に特化したレポートです。確定申告には他にも必要な情報があるため、以下の点にご注意ください。

💸
経費(送料・梱包費・手数料等)
カンタン台帳は経費の記録には対応していません。メルカリ手数料、送料、交通費などの経費は別途、会計ソフトやExcelで管理してください。
🏠
減価償却費
PC・カメラ・車など10万円以上の固定資産の減価償却計算は含まれません。必要に応じて税理士にご相談ください。
🧮
消費税の計算
課税事業者の消費税計算には対応していません。課税事業者になるのは、基準期間(個人は前々年)の課税売上高が1,000万円を超える方(前年1/1〜6/30の課税売上高等が1,000万円超の場合も該当)。基準期間の売上が1,000万円以下でも、インボイス(適格請求書発行事業者)の登録をしている方は課税事業者です。なお古物商には、一般のお客様からの仕入れについてインボイスがなくても一定の帳簿記載で仕入税額控除が認められる「古物商特例」があります(下のQ&A参照)。
📝
複式簿記の帳簿
青色申告65万円控除に必要な「複式簿記」の帳簿は生成されません。カンタン台帳のCSVデータを会計ソフト(freee、マネーフォワード等)に取り込んで作成してください。

おすすめの使い方:カンタン台帳で売上・仕入・在庫を管理し、freeeやマネーフォワードなどの会計ソフトで経費や帳簿を管理する「2つ使い」が最も効率的です。カンタン台帳のCSVエクスポートから会計ソフトへの取り込みがスムーズに行えます。

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よくある質問

Q. 副業で古物商をやっている場合、確定申告は必要?
A. 年間の利益(売上−経費)が20万円を超える場合は確定申告が必要です。20万円以下でも住民税の申告は必要な場合があります。
Q. 古物台帳と確定申告の帳簿は同じもの?
A. 厳密には別物です。古物台帳は古物営業法の義務、確定申告の帳簿は税法の義務です。ただし、カンタン台帳のデータは確定申告の帳簿作成にも活用できます。
Q. 青色申告と白色申告、どちらがいい?
A. 控除額だけを見れば青色申告が有利です。最大65万円(複式簿記+e-Tax等の要件を満たす場合)の控除、赤字の3年間繰越、40万円未満の少額減価償却資産の一括経費計上(2026年4月1日以後に取得した分。それ以前の取得は30万円未満。年間合計300万円が上限)などがあります。ただし複式簿記の帳簿づけが必要なので、記帳の手間と控除額を比べて決めてください。会計ソフトを使えば手間はかなり減ります。
Q. メルカリの手数料は経費になる?
A. はい。販売手数料、送料、購入時の決済手数料は経費として計上できます(手数料の率は各サービスの改定で変わるため、その時点の規約で確認してください)。
Q. 自宅の一部を営業所にしている場合、家賃は経費になる?
A. はい。家賃のように生活と業務の両方にかかる費用(家事関連費)は、業務に直接必要な部分が明らかに区分できる場合に、その部分だけ経費にできます(国税庁 タックスアンサーNo.2210)。面積で按分するのが一般的で、例えば10畳の部屋のうち3畳を仕事専用にしているなら家賃の30%が目安です。間取りや使用時間など按分の根拠を残しておいてください。白色申告では「主たる部分が業務用」でないと認められない点にも注意が必要です(所得税法施行令第96条)。
Q. 副業のせどり・古物商は「事業所得」と「雑所得」のどちらで申告する?
A. 所得税基本通達35-2(令和4年10月改正)の考え方では、その活動が社会通念上「事業」と言える程度に行われているかで判定します。目安として、取引を記録した帳簿書類を保存していれば原則として事業所得、帳簿書類の保存がない場合は原則として業務に係る雑所得(収入300万円超で事業と認められる事実があれば別)とされています。雑所得だと青色申告の65万円控除や赤字の繰越は使えないので、記帳と帳簿の保存がまず大事です。最終的には規模や継続性で判断が分かれるため、迷う場合は税理士か税務署に確認してください。
Q. 中古で買ったパソコンや車の減価償却は?
A. 10万円以上の中古資産は、法定耐用年数ではなく「簡便法」で耐用年数を見積もれます。法定耐用年数を全部過ぎた資産はその20%、一部過ぎた資産は(法定耐用年数−経過年数)+経過年数×20%で、1年未満は切り捨て・最短2年です(減価償却資産の耐用年数等に関する省令第3条・国税庁No.5404)。買った後の修理費などが取得価額の50%を超える場合は簡便法が使えません。
Q. 確定申告の期限は?
A. 毎年2月16日〜3月15日です(休日の場合は翌営業日)。e-Taxを使えば自宅からオンラインで提出できます。
Q. カンタン台帳の年次レポートはどのプランで使える?
A. スタンダードプラン(月額¥980)以上で利用できます。フリープランでは年次レポート機能は利用できませんが、台帳データのCSVエクスポートは可能です。
Q. 仕入れた商品は、買った年に全部経費にできる?
A. できません。経費(売上原価)になるのは、その年に売れた商品の仕入代金だけです。年末に売れ残っている在庫の仕入代金は「期末棚卸高」として翌年以降に繰り越します。せどり・古物商で一番多い誤解なので、年末の在庫一覧(棚卸し)は必ず作ってください。カンタン台帳の年次レポートは期首・期末の棚卸高から売上原価を自動計算します。
Q. 一般のお客様から仕入れるとインボイスがもらえない。消費税はどうなる?
A. 課税事業者の古物商には「古物商特例」があります。①古物商許可を持っていること ②相手がインボイス発行事業者でないこと ③販売用の仕入れであること ④帳簿に特例の適用を受ける旨と相手の住所・氏名等を記載していること、の条件を満たせば、インボイスがなくても帳簿の保存だけで仕入税額控除が受けられます(消費税法施行令第49条第1項第1号ハ)。古物台帳に相手の住所を正しく記録している方は条件④を満たしやすい仕組みです。免税事業者の方には関係ありません(ただしインボイス登録をしている方は、基準期間の売上が1,000万円以下でも課税事業者なので対象です)。くわしくは「古物商のインボイス(古物商特例)」の記事にまとめています。
Q. カンタン台帳だけで確定申告は完結する?
A. カンタン台帳は売上・仕入・在庫の管理に特化しています。送料やメルカリ手数料などの経費管理は別途必要です。おすすめは、カンタン台帳で台帳管理+freeeやマネーフォワードで経費・帳簿管理の「2つ使い」です。

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※ ご注意

本ページの内容は古物営業法に関する一般的な情報提供を目的としたものであり、法的アドバイスではありません。 具体的な運用方法や法令の解釈については、管轄の警察署(生活安全課)にお問い合わせください。 業者間取引や特殊な取引形態など、個別の事情により対応が異なる場合があります。

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